著者インタビュー

「テキーラはメキシコが世界に誇るお酒です(第3回)」

ドミンゲス氏写真

著者インタビュー 第二弾は…

2012年9月刊行の『プレミアムテキーラ』著者のマルコ・ドミンゲス氏にお話をうかがいました。テキーラとメスカルの輸入販売デ・アガベ株式会社を経営しながら、スペイン語を教えたり、現在、東京農大で毎週水曜日に非常勤講師として教壇に立たれています。


■ 英語版やスペイン語版はいつ出るの? とよく聞かれます ■

駒草出版
ご本人のことについて。本を出して、まわりの反応は?
ドミンゲス 氏
父も母もとても喜んでくれましたね。まわりの人間からは英語版は出ないの? スペイン語版は? とよく聞かれます。 娘もすごく喜んでくれましたし、彼女はあるとき、小学校の宿題でテキーラの製造工程を書いてました。学校で説明していたらしいです。なんか作文書いてくださいっていうので「テキーラは~」と(笑)。まぁ、簡単にですけど、そういうコメントはしてました。
駒草出版
それはお父さんとしては嬉しいですね。
ドミンゲス 氏
ええ、けっこう、ちゃんと聞いてるんだな~と思いました。説明を。
キオーテ


●道路端に街路樹ならぬ街路アガベ。
 中から高く伸びているのが
 キオーテ(花が咲く部分)



/テキーラツアー写真より




















駒草出版
日本語の本は読みますか。
ドミンゲス 氏
サラリーマンやってるときは読みましたね。コーチングとか、マネジメントとか、仕事のためというよりは自分の教育のために、プロフェッショナルとか人間としての教育のためですね、マンガとかは読んでないですね。
駒草出版
おすすめの本はありますか。
ドミンゲス 氏
4~5年前に読んだ本ですが、『神との対話』(ニ―ル・ドナルド・ウォルシュ著/サンマーク出版)という本です。著者はアメリカ人だったと思いますが、和訳されたものを日本ですすめられて、読みました。人類とか人間の在り方、意味、神様の存在とか、いろいろ考えさせてくれる本です。
内容は、ある人が神様と対話している。「あなたはキリストですか?」「あなたはアラーですか?」と問いかけたりするけれど、それが重要なわけではなく、結局“あなた”は何を信じたいのですか? と読み手に問いかけるものなんですね。そこがおもしろかった。たとえば病気について、死について、生物について、考えさせてくれるんです。根本的に宗教の見かたが変わりました。
誰でも、自分の信じている宗教を人に対して紹介して、これを信じてよと言いたがるものですが、一切他人に対して、元から言うほうではなかったけど言わなくなりました。「あなたが何を信じてもいいんじゃないですか」と言うようになった。そしてもっとオープンマインドで受け入れられるようになったと思いますね。
小説は中学校までよく読んでいました。アガサ・クリスティとか。そのあとは、どうせ読むんだったら技術的なものとか、すぐ実行できるものになりました。たとえば皮細工が趣味なので手芸に関するもの、ラジコン飛行機の作り方、モーターの巻き方などです。
駒草出版
日本語のほかいくつの言語を習得したのですか?
ドミンゲス 氏
スペイン語、英語、日本語、あとはだいぶ忘れちゃいましたけどフランス語です。相手が話すことはほぼわかりますね。自分でしゃべるときは考えないといけませんけど。

■ メキシコ人の赤ちゃんにも蒙古班があるんです ■

駒草出版
考えるとき、頭のなかでの言語はスペイン語ですか?
ドミンゲス 氏
こういうふうにしゃべっているときは、言語という〈意識〉はないですね。それか日本語。けんかをする……というのを想像するときには英語です(笑)。なんででしょう? たぶん議論に向いている言語だからでしょうか。
日本語にはとても便利な言葉があります。「いいんじゃない?」「これとこれがあってどうしよう」と聞かれたとき、「うん、いいんじゃない?」と。
マリアッチ・バンド
●最近増えつつある女性だけのマリアッチ・
 バンド。オアハカ州でのひとコマ。
 /テキーラツアー写真より




























駒草出版
メキシコ人と日本人で共通していると思うことは?
ドミンゲス 氏
どちらも、外の人に対して親切にしてあげたい、居心地良く居てほしい。それから、招待されて行くと「あれも食べて、これも食べて」と料理をたくさん出してくれる。メキシコでも、うちに来てもらったら「楽にして」「くつろいで」と。そんなところが共通していると思いますね。そして蒙古班。メキシコ人も赤ちゃんのときに蒙古班があります。昔のメキシコ人(原住民)の顔とかもなんとなく日本人と似てますね。

■ 日本―メキシコ間の貿易にもっと貢献したい■

駒草出版
日本のビジネスシーンで、ビジネスマンとしてなにか思うことはありますか?
ドミンゲス 氏
もう少し柔軟であればいいなあと思うことがありますね。メキシコでは人柄を見て、信頼できて好きであればどんどん話が進む。場合によっては小さいところであれば契約書より早く。もちろんリスクも高いですけど、何か起こっても、そのときそのとき真摯に対応もします。
日本はルールが固過ぎて、なかなか前に進まないときがあります。新規開拓などに関してはもっと柔軟性が必要ではないかなと感じます。だがその反面、すべてが浸透していますから品質がいいし納期が守られますし、少なくとも期待通りのものが出てくるし、期待以上のものが出てくることも多い。僕は長―く日本にいて、安心しきっている部分が大きいですね。それも良くないかなと思いますが(笑)。
メキシカンフェア

●デパートのメキシカンフェアで試食販売。
 手にしているのはアガベシロップ。































駒草出版
では最後に、これからの展望を。今テキーラとメスカルの輸入販売をメインにビジネスをしていらっしゃいますが、これからやりたいことはありますか?
ドミンゲス 氏
トルティーヤを作る機械で、全長10メートルぐらいあるものをすでに2台輸入しましたが、そういったメキシコ特有のものの輸入販売と、マンゴ、ライム、レモン、プリクルペア(サボテンの実)といったトロピカルな青果もやりたいですね。
いつか日本のお酒をメキシコへ持って行って浸透させたいと考えているのですが、なかなか難しいです。メキシコの酒税は高いので、酒類を輸入出するのにいちばん難しいのはメキシコではないかと思います。 とにかく、メキシコの文化を代表するような商品をたくさん日本に紹介し、日墨関係の貿易に大きく貢献したいです。
私の誇りを持って大好きなテキーラに関しては、飲食店の方々に、もっともっと勉強していただいて、好きになっていただけるとうれしいですね。



写真提供:デ・アガベ株式会社
第3
回おわり







インタビュートップに戻る