著者インタビュー

「テキーラはメキシコが世界に誇るお酒です(第2回)」

ドミンゲス氏写真

著者インタビュー 第二弾は…

2012年9月刊行の『プレミアムテキーラ』著者のマルコ・ドミンゲス氏にお話をうかがいました。テキーラとメスカルの輸入販売デ・アガベ株式会社を経営しながら、スペイン語を教えたり、現在、東京農大で毎週水曜日に非常勤講師として教壇に立たれています。


■ 産地で味わうテキーラはまた格別です! ■

駒草出版
テキーラの普及、宣伝活動はどんな工夫をしていますか
ドミンゲス 氏
うちはプレミアムテキーラツアーを組んで、テキーラの製造工程の基礎、またメスカルの製造工程の基礎、また関連機関のテキーラ規制委員会(CRT)とか、そういうものを知っていただくために、メキシコに興味を持ってくださる方々を案内しました。
グアダラハラ市内
●グアダラハラ市内      






















グアダラハラ市内
●テキーラ規制委員会(CRT)の
ラボで説明を受けるツアー一行。
 ラボでは各メーカーの商品サン
プルを販売前に分析し、規定に
従っているかを確認している。

   /テキーラツアー写真より




















ドミンゲス 氏
日本テキーラ協会もテキーラツアーをやっています。たとえば、日本テキーラ協会を通じてテキーラバーベキューとか、たまに食事とのマリアージュとか、こないだたぶん2年ぶりぐらいカクテルセミナーを開きました。ほかには日本食品流通という会社は3ヶ月に一度くらいメキシカンナイトという交流会イベントをやって、メキシコのビールやテキーラをPRしています。あとは例えばカサ・デ・ルナ(輸入販売/SHoT3株式会社)とかドン・アルバロ(輸入販売/株式会社イデアプロモーション)などは可能な限り、メキシコのお祭りやラテンアメリカ、コロンビアのお祭りのときに出店して、コラボしていますね。
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――今後の展開は?
ドミンゲス 氏
はじめてのテキーラツアーを成功させることができたので、この先はツアーを2つに分けてオアハカツアーとテキーラツアーにしてみたいと思っています。
■テキーラツアーとは……
「DEEPメキシコ!テキーラとメスカルの旅」(2013年6月8~15日)のこと。グアダラハラ市内観光からテキーラ工場、CRT訪問、オアハカ州のメスカル工場や、メキシコシティではティオティワカン遺跡などを訪れた。
グアダラハラ市内
グアダラハラ市内

●(左)手作りのメスカル工場。
今では珍しい馬が引くタオナ
(搾汁のための石の臼のようなもの)
が現場で大事にされている。
●(上)発酵槽。



















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――ツアーはいかがでしたか?
ドミンゲス 氏
写真をごらんいただくとわかりますが、CRTや工場見学のときなど、みなさん真剣に見入って、説明に熱心に耳を傾けていました。
男性
●メルカド(市場)































ドミンゲス 氏
市内観光としては、オアハカ州をとくにみなさん気に入ってくださったようです。風景、街並み、民芸品、料理、酒、メルカド(市場)、けっこうたくさんお土産を買ってましたね。“ルーチャ”(メキシコで盛んなプロレス)の仮面を20枚も買った方がいました。 メスカロテカといいまして、メスカルの図書館といいますか、これはオアハカ州にある小さなバーなんですけども、レアな手作りのメスカルのコレクションを置いています。そのメスカロテカのためだけにいろいろな農家が作って出している。完全予約制で飲みにいくと、3、4種類か、もっとボトルを出してくれる。名所のひとつです。 メキシコシティは他の国の大都会同様に少し気をつけないといけませんが、それ以外の地域は全然大丈夫です。観光地として有名なところもたくさんありますし、ぜひ毎年恒例のツアーにして、いろんな方に楽しんでいただきたいですね。ビデオも作りました。フェイスブック(デ・アガベ社)にそのツアーの写真あげてます。よかったらぜひ見てみてくださいね。
グアダラハラ市内
グアダラハラ市内

●メスカロテカ店内で。
完全予約制の手作りメスカル専門店































■ テキーラを増やしたい飲食店をフルサポートします ■



ドミンゲス 氏
やっていきたいことのもうひとつは、今メキシコの企業に対しても日本の企業に対しても、もうとりあえずオープンに正式な輸入者がいなければ、好きなブランドをどれでも持ってくるような交渉をしています。
マイブランドが欲しいから、このブランドが好きだから、この店のためだけに持ってきたい、またはもっとテキーラの数を増やしたいだとか、飲食店やホテルチェーンの方々で興味がおありならフルでサポートしたいですね。そうしたらもうちょっとバラエティが増えるかなと思います。
あともうひとつしたいのは、市場がさまざまな味を求めていますので、ひとつのブランドを大量に持って来るんじゃなくて、なるべく多くのものをバラで持って来るようにしたいんですね。これは、本当にたいへんです。(笑)
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――現地では小ロットで作っている会社が多いそうで、それを次も、また次も、と仕入れるのは難しいのでしょうね。
ドミンゲス 氏
とくに手作りのメスカルはそうなんです。メスカル・アルテサナル(職人による手づくりのメスカル)は、年に1回10パレットぐらいしか作れない。1パレット60ケースと数えれば、600ケース。1瓶700ミリリットルとして1万リットル以下ですね。今あまり浸透していないブランドだとたぶんほとんど1年間に1パレット60ケース12本入りです。そう考えると少ない。けっこうたいへんです。もっと売れる商品は年に3~5パレット、有名なパトロン(輸入販売/バカルディジャパン株式会社)とかドン・フリオ(輸入販売/キリンビール株式会社)とかになるとコンテナごとですけどね。
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――日本の市場はこれからどう変わっていく?
ドミンゲス 氏
今は輸入者同士で協力しあってます。みんなで力をあわせてテキーラをもっと浸透させないと。他社の商品を当社でも扱ったり、当社の商品を他社でも販売してもらったり。そうすることで今あるブランドは、全国に均等に浸透していくでしょうね。 そしてこのまま少しずつ伸びていくとは思います。ただ、もっとうまく均等に変わっていくために、そろそろいろんな工夫が必要だと思います。料理とのマリアージュ、または料理レシピなどもわかりやすい形で出していかないと、「面白いし好きだけど、どう扱えばいいのかわからない」という飲食店さんも多いですね。これがうまい形ですすむと、今度は家でも飲むようなお酒としてとっておくという方が増えるんじゃないかなと思います。今はどちらかというとお店で飲むと。でも晩酌のようなのは少ないと。(笑)

■ 髑髏(ドクロ)はメキシコの文化 ■





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――デ・アガベ社でいちばん人気があるのは?
ドミンゲス 氏
ドミンゲス氏:商品のイメージと味からして、いちばん早く売れたのはチャムコスですね。時間をかけてじっくり売れて浸透したのがアラクランですが、最初からあまり音を立てずに売れて続けているのがランチョ・ラ・ホヤとエル・フォゴネロですね。
グアダラハラ市内
●ハリスコ州トラケパケの
洋服店に飾られたカラベラ(骸骨)
“死者の日”によく見られる。





























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――髑髏(ドクロ)型のボトルがありますが、このデザインはけっこう多いんですか?
ドミンゲス 氏
ラ・ティリカのことですね。この描かれた模様はプエブラ州の陶器やメキシコ州といった各地の伝統模様なんですよ。こういった髑髏をかたどったボトルにカー(KAH)がありますけど、カーと、髑髏型ボトルのウォッカの会社がありまして争ったということがありました。ラ・ティリカが出たとき、またけんかするのかなと思ったんですが、メキシコでは死者の日に髑髏の人形だとかチョコレートだとか飾りますので、文化のものなんです。ですから大丈夫でした。
ボトル集合
グアダラハラ市内
●(上)ラ・ティリカ





●(左)“死者の日”に飾る祭壇アルタール。

























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――死者の日とは?
ドミンゲス 氏
11月1日が死者の日で、アルタールというご先祖様や亡くなった方のために華やかな祭壇を作りますが、そこには髑髏のお菓子、チョコレート、人形などをたくさん飾ります。日本のお盆と似ているとはよく言われますね。髑髏は怖いものでもありますが、メキシコでは恐怖をバカにすることによって吹き飛ばすというふうに考えるのです。



写真提供:デ・アガベ株式会社
第2回おわり








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