著者インタビュー

「テキーラはメキシコが世界に誇るお酒です(第1回)」

ドミンゲス氏写真

著者インタビュー 第二弾は…

2012年9月刊行の『プレミアムテキーラ』著者のマルコ・ドミンゲス氏にお話をうかがいました。テキーラとメスカルの輸入販売デ・アガベ株式会社を経営しながら、スペイン語を教えたり、現在、東京農大で毎週水曜日に非常勤講師として教壇に立たれています。


● テキーラの味が楽しめて飲みやすいソーダ割りがおすすめ ●

駒草出版
今回はよろしくお願いします。 まず、テキーラの最大の魅力を教えてください
ドミンゲス 氏
はい、まず3つのことについて伝えたいと思います。
あらゆるスピリッツの中でも、テキーラがいちばん、香りと味が複雑で奥深い、私はそう思っています。ほかのスピリッツは早く育つ植物が使われますが、テキーラはアガベという10年近い長い時間をかけて育つ植物が原料ですから、それだけの味わいがしみ込んでいる、というわけです。
そして、楽しい、明るいお酒であること。(笑)
最後は、多様なデザイン。ボトル自体もそうですが、特殊なラベルそしてメーカーのプレゼンテーション、メキシコが誇りをもって紹介したい酒であるということですね。
VERBEの看板写真
柑橘類のマルガリータ・カクテル。
現地のレストランで人気なんですね。
テキーラツアー写真より


















駒草出版
――はじめてテキーラを飲む人へ、選び方などアドバイスを。
ドミンゲス 氏
スピリッツを飲み慣れた人と、そうでない人へ2通りになるでしょうね。飲み慣れた人ならストレートで、あとは甘いのがいいか、辛いのがいいか、若いタイプがいいか熟成されたタイプがいいか。その組み合わせをお店の人に話してみるといいですね。甘口の若いのが好きとか、辛口の熟成がすすんだものにしようかとか。また、のど越しがどうかとか、そういう風に好みを伝えると、バーテンダーも「ではこれを」とおすすめしやすいのでは。
スピリッツを飲み慣れていない人には、テキーラの味も楽しめて飲みやすいソーダ割りをおすすめします。それもやっぱり甘口か辛口、お好みで選ぶといいですね。カクテルから入るなら、柑橘系が好きなら断然“パロマ”です。使うのはグレープフルーツジュースとテキーラとソーダを少し。おいしいですよ!
■テキーラのタイプとは……
・ブランコ/樽熟成していないテキーラ。または熟成が60日以内。色はほぼ透明。
・レポサド/60日以上1年未満の熟成。色は琥珀色。
・アニェホ/1年以上3年未満の熟成。色は赤みがかった琥珀色。
・エキストラアニェホ/3年以上の熟成。ほとんどは5年物だが、たまに7年物もある。
・ゴールド/色とまろやかな味を得るため、ブランコとレポサド、またはアニェホを混ぜたもの
■甘口、辛口はアガベの原産地のなかでも地域によって、特徴がある。






● テキーラ好きな人は勉強熱心な人が多い! ●





駒草
――昨年(2012年)『プレミアムテキーラ』と『テキーラ大鑑』(林生馬著/廣済堂出版)とテキーラの本が2冊出版され、テキーラ愛飲家を中心に基礎知識がぐっと広まったと思いますが、ご自身はどのように感じていますか?
tequila書影
ドミンゲス 氏
明らかに認識度が上がってきています。ただし、まだまだだと思いますね。最初はニッチ的な分野だったんですね。ようするに詳しい人たちだけで、人が少なかった。
日本テキーラ協会が一所懸命メンバーを募集して、テキーラソムリエ、今は名前が「テキーラ・マエストロ」に変わりましたが、現在全国的に1,000人以上いる、それはすごくいいサインです。ただ、一般的な認知はカクテルか、一気飲みのイメージがほとんどですね。
一方、テキーラを知っている人たちの中から、テキーラの母であるメスカルも知る人が増えて、メスカルのほうがもちろん歴史がありますから、ワインソムリエのような味の違いがわかる人たちにはメスカルが人気があります。でもそれはさらにニッチ的な部分で。
■メスカル……テキーラとは、もともとメスカルというお酒のなかのひとつ。シャンパンやコニャックのように原産地呼称制度で守られている。よく誤解されているが、虫が入っているのはメスカルである。
ドミンゲス 氏
今いちばん困っているのは、良いことでもあるのですが、「テキーラ面白いね、ボトルも面白いね。これ飲んだから次は別のを飲みたい」という人たちが多くて、次から次にあれも飲んでみたい、これも味見してみたいんだけれど、ひとつのブランドに密着しない。そうすると僕が気にしてるのは、マイブランドを持たずに、とりあえずいろいろ飲み歩くのはいいんだけど、輸入業者側としては、どれを大量に持ってくればいいの? というのが困るわけです。そういう人がちょっとずつ増えるから流通では見通しが立たなくて、すぐ在庫切れになったりとか安定供給できなかったりということがひとつの問題ですけどね。 ただこれは、テキーラを飲む人たちは、最初に言ったような、同じテキーラでもいろいろな香りや味わいの複雑さに気づいて、もっとそれを楽しみたいという好奇心を持っていて、いろいろテキーラを要求しているわけです。それは良いことだと思います。勉強熱心ですね。
ボトル集合
メキシコ、テキーラ村の近くにある
蒸留所ラス・フンタスのさまざまな
テキーラの品揃え。



















ドミンゲス 氏
もうひとつ面白いのは、やっとバーテンダーの方々が、テキーラの面白みを感じ始めたんですね。今まで出していた商品だけでは、もうお客さんが満足しない。次にどういう商品を出してあげようかといろいろ考えるときに、テキーラに目を付けてくれたんです。
たとえばアレグリア・デ・メヒコ(※横浜赤レンガ倉庫前広場で開催されるメキシコを紹介するイベント。今年4回目を迎えた)のときにもテキーラカクテル・コンペティションが行なわれます。特に日本バーテンダー協会(NBA)の横浜支部、たぶん16人ぐらい出ると思いますが、それはとても良いことですね。ただし、彼らもこういう特別なイベントのときにはテキーラを使いますが、一般のカクテルコンペのときにはほとんど使わない。
これはいろいろ理由がありまして、ひとつはテキーラのメーカーが補助会員であるか。ブランドの力をもって、いろいろ宣伝してPRできるかとか。でもほとんどのテキーラブランド、約100ブランドあるうち、有名な会社のは5つぐらいしかない。ほかはもうちょっとマイナーなところで、そこまでお金はかけられない。でもそのかわりものすごくおいしい。まだまだテキーラはユニークなところが多いと思いますね。
男性
遺跡
 
広大なアガベ畑と収穫人ヒマドール           ティオティワカン遺跡
いずれもテキーラツアー写真より



写真提供:デ・アガベ株式会社
第1回おわり








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